あきゃ

朝、目覚めて部屋の窓を開けるとかぐわしい香りが吹き込んできた。
人の心を眩惑させる甘い風の音。
それはどこから漂ってきたのかわからない。庭のそれはいまだ小さく、匂いを漂わせるには程遠い。
たまに風によって運ばれてくるのが楽しみでならない。
新しい香りが届くまで、秋の想いを馳せる。
黄金の贈り主へ。金木犀と空へ。